小沢コージ
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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

話題の6億円レクサスヨットLY650に初試乗!世界のリッチマンのハートをどれだけ掴めるか?

公開日: 更新日:

レクサスLY650

 ようやく話題のレクサスLY650を見て触ることができた。そう、レクサスと言っても自動車ではなく、大型ヨットであり、いわゆるクルーザーだ。ベース価格で4億5000万円、今回乗ったカスタム仕様だと一艇約6億円! という富裕層向けのヨットである。

 そもそもトヨタは97年にマリン事業に参入。オリジナルスポーツユーティリティクルーザーのポーナム31やプレミアムクルーザーのポーナム35SWなどを発売。国内で着実に存在感を発揮してきた。

 ところが今回は、それとはひとクラス、ふたクラスも違うビジネスだ。ポーナムシリーズは安いと2000万円台、高くても7000万円台の船。高強度のアルミ合金を船体に使用し、自慢のランドクルーザー用ディーゼルエンジンを船舶用に転用している。

 ところがLY650は全然違う。価格は億レベルだし、設計はトヨタマリンが行っているがイタリアのヨットメーカーのサポートを受けてるし、注目のインテリアはイタリアの専門デザイン会社Nuvolari Lenardとのコラボ。心臓部のエンジンはボルボ製12.8ℓ直6ディーゼルターボ×2機で、なにより生産はアメリカのマーキー・ヨット社に委託。ほぼ国内産のポーナムと全然違う物作り手法なのだ。

とりあえず一泊したい…と思えるほどゴージャスな客室

 その分実艇は国産クルーザーとは雰囲気がまるで違う。船体フォルムからして優雅かつ高級スポーツカーのようなオーラを放っており、カッパー色のボディーカラーもレクサスオリジナル。申し訳ないが、ポーナムが日本の釣り人用ビジネスホテルだとしたら、LY560はフライフィッシャー用外資系プレミアムホテル? と言いたいほど漂うオーラが違う。

 特に今回乗った6億円仕様は船内各所に鏡面仕上げのユーカリウッドや上質本革&皮調マテリアルが使われ、最高級セダンのレクサスLS以上にリッチムード炸裂!

 65フィート=全長20m弱のロングボディーは3つの客室を備え、それぞれ独立したベッドルーム、シャワールーム、トイレを持ち、オーナールームにあるキングサイズはあろうかというベッドは、船を海に出さなくてよいので、とりあえずここで一泊してみたい! と思えるゴージャスさ。

コロナ禍でも4艇売れた!

 また聞いて驚いたのは、“走り”の質。LY560は最大1000馬力のボルボエンジンを2機搭載、最大35ノットのスピードを実現。このサイズでは速いうえ、他より安定して揺れが少ないとか。

 それは独自のCFRP(カーボン強化プラスチック)を使ったボディー構造や、他より低重心かつキャビンを中央より配置したことにより、外乱や波に強い特性を得たから。同時にトヨタ生産方式の導入し、信頼性も他とは違うという。

 トヨタマリン事業部の大梛豊さん曰く、「トヨタがボート作りを始めて25年経ってますし、ノウハウもありますし、デザインにもレクサスのアイデンティーが入ってますし、走りもレクサスの味を大切にしています」とか。まさにレクサスLSを海に浮かべるような発想で作られた、富裕層向けヨットがLY650なのだ。

 現状コロナで生産が落ちつかない中でも4艇売れたそうで、もしかして北米でメルセデス・ベンツ、BMW、アウディの間にしっかりと食い込んだ初代レクサスLSの如く、船舶界でも存在感を出しつつあるのかもしれない。

 正直富裕層ビジネスはラクじゃないし、大衆文化が根付いた日本人としては物作りの勘どころも摑みにくいはず。

 だが90年代に起こしたレクサスの奇跡の続きを、ぜひヨットでも見せて欲しいものだと思う。まだまだ日本の物作りはイケるぞと。

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