パナソニックホールディングス(下)楠見新社長が打ち出す「競争力強化」の中身
この4月に持ち株会社制を導入したパナソニックホールディングス(PHD)にとって、目下の最大の悩みは成長エンジンの不在だ。
津賀一宏前社長の時代、「家電のパナソニック」から「BtoBのパナソニック」へと事業構造の転換を図り、2018年の創業100周年に売上高10兆円を達成するという目標を立てたものの、すぐに撤回、18年度の実際の売上高は8兆27億円にとどまった。そして21年3月期の売上高は6兆6987億円とさらに1兆円以上下回った。
そこで昨年、バトンを継いだ楠見雄規社長は、就任早々「2年間は競争力強化に集中する」と宣言した。
それから1年、すでに半分が経過した。楠見社長はこの1年を振り返り「構造的赤字事業の解消と経営体質の徹底強化により新型コロナ等の外部環境下でも収益力は改善した。競争力強化の一歩を踏み出した」と語っている。
一例として中国市場を取り上げ、過去2年間で家電の原価を20%以上低減し、競争の激しい市場でも十分伍していけることを証明したという。