プーチン大統領はリュドミラ夫人に一目ぼれ 出会ったのも劇場だった
前回、通信社のモスクワ特派員として2013年、ロシアのプーチン大統領の「離婚」現場を目撃したことを書いた。国営テレビのカメラに向かって夫妻そろって発表する直前、仲むつまじくバレエを鑑賞し、筆者もその会場に居合わせた体験だ。その時は気がつかなかったが、リュドミラ夫人への思いがにじむ、粋な計らいが見られた。
■「喜劇」が始まり
プーチンがレニングラード(現サンクトペテルブルク)生まれで、旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身であることはよく知られている。リュドミラは舞台女優を志し、国営アエロフロートなどで働いた元客室乗務員(CA)。ロシアならではのカップルと言えるだろう。
実は別れだけでなく、出会ったのも劇場だった。あるブロガーがこの一致を「興味深い」と指摘するように、リーダーの歩みを知っているロシア国民には、この離婚で感じるものがあるらしい。
2人の初対面は1980年、地元で友人と一緒に訪れた「コンサート」でのこと。もっとも、オーケストラではなく、ソ連を代表する喜劇俳優アルカジー・ライキンの舞台だった。プーチンも人間。青春時代はあった。