SMBC日興証券(下) 親会社の三井住友FG次第で証券再編の大雪崩が起きる
SMBC日興証券の相場操縦事件の黒白は法廷で明らかになる。法曹関係者は審理は長期化するとみている。
「組織的に不正を繰り返した」とし、内部の管理体制の不備を問う検察に対して、SMBC日興の幹部らは「株価操作の意図はなかった」「報告は受けたが違法性の認識はなかった」と全面否定している。
これまで、大手証券会社が相場操縦罪に問われる事態は想定されておらず、法人の起訴は前代未聞のことである。特捜部が法人を含めた一連の起訴に踏み切ったのは、「違法な行為を未然に防ぐコンプライアンス(法令順守)体制が欠如していた」と判断したにほかならない。
一方、起訴された元幹部らは、買い注文自体は認めているが、「通常業務。利益を出すために安値で株を買い、利益を出すのが本来の仕事」と主張している、という。
10銘柄すべての取引に関わったとされたエクイティ本部の元部長・山田誠被告は、金融市場のテクノロジーの発展を体現する人物と評されている。米ゴールドマン・サックス証券で超高速取引(HFT)のシステム開発に携わり、トレーダーに転身して好業績をあげた。その手腕を見込まれSMBC日興証券に引き抜かれ、10銘柄で10億円超の利益を稼いでいた。