高級スーパー「成城石井」がついに上場へ 転売の歴史に終止符を打つのか
相次ぐ転売の歴史についに幕が下りるのか──。コンビニ大手のローソンが全額出資の食品スーパー子会社「成城石井」を東京証券取引所に新規上場させる方向で検討に入った。早ければ年内にも上場申請に踏み切る。
成城石井は小田急電鉄成城学園前駅前にあった果物店がルーツ。1976年スーパーマーケットに業態転換、88年からチェーン展開に乗り出したが、2004年に創業家が発行株の66.7%を65億円で焼き肉チェーンのレインズインターナショナルに譲渡。06年同社の完全子会社になった後、11年、今度は三菱商事系投資ファンドの丸の内キャピタルに400億円で身売りされた。この時は伊藤忠商事や丸紅も買収に関心を示していたという。
約550億円でローソンが競り落としたのは14年。三越伊勢丹ホールディングスとイオンも買収に名乗りを上げ、三つ巴の争奪戦を繰り広げた挙げ句、最後は三越伊勢丹との一騎打ちを制しての結末だった。三越伊勢丹は当時、経営不振に陥っていた同業の「クイーンズ伊勢丹」立て直しの「起爆剤にする腹積もりだった」(関係者)とされるが、当て外れ。結局、クイーンズ伊勢丹は18年、丸の内キャピタルに売却される。