極東ロシア艦隊が日本海でミサイル発射! 対米追従制裁が裏目…日本も標的に

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 ロシア軍が日本海で巡航ミサイルを発射。日本列島周辺で緊張が高まっている。

 ロシア国防省は14日、海軍太平洋艦隊の潜水艦2隻が巡航ミサイル「カリブル」の発射演習を行い、日本海上の標的に命中したと発表。最新ディーゼル潜水艦の「ペトロパブロフスクカムチャツキー」と「ボルホフ」が発射し、太平洋艦隊の艦船15隻以上が演習の支援に当たったという。

「カリブルはロシア軍がウクライナ侵攻でも使用している亜音速ミサイル。種類によっては最大射程2000キロにも及びます。レーダーに捕捉されないよう海上スレスレを飛行し、最終目標の手前で超音速に加速するため、迎撃が困難だといわれます。“いやらしい”ミサイルです」(軍事ジャーナリストの世良光弘氏)

 日本政府はミサイル発射について「詳細は控える」(松野官房長官)と、ほぼダンマリ。気になるのは「なぜ、このタイミングなのか」だ。

 日本海では8日から、米原子力空母「エーブラハム・リンカーン」を中心とする空母打撃群が自衛隊と合同訓練を実施している。防衛省が「日米同盟の一層の強化を図り、抑止力、対処力を向上させる目的」(山崎幸二統合幕僚長)を掲げ、北朝鮮への軍事的圧力を強めている状況だ。

北朝鮮の動きにも日米韓が警戒

 一方、北朝鮮は15日、民族最大の行事とされる故金日成主席の誕生記念日「太陽節」を迎えた。110回目の節目に当たる今年を「革命的大慶事の年」と定めており、核実験や弾道ミサイル発射を行う可能性があるとして、日米韓が警戒を強めている。

 北朝鮮に軍事支援を要請したといわれるロシアには、14日のミサイル発射で日米を牽制する狙いが透ける。ロシア軍は同様の訓練を定期的に行っているが、北朝鮮と一緒に極東の緊張をあおる意図があるのではないか。

「大きな目的としては、ロシアに科されている経済制裁への反発でしょう。当然、米軍と一体化している日本も標的ですし、日本海で展開している米空母への威嚇の意味もある。ロシアを『後ろ盾』とする北朝鮮の動きも要注意です。日本が西側諸国と足並みをそろえているように、北朝鮮の動きはロシアや中国と連動しています。北朝鮮はロシアの支援要請に応じる動きを見せており、武器や人員の補充といった直接的な支援だけではなく、ロシアの動きに合わせて弾道ミサイル発射や核実験などの示威行為を戦略的に加速させる可能性があります。極東の緊張はより一層、高まる恐れがあるのです」(世良光弘氏)

 岸田政権による米国追従の経済制裁が裏目に出て、日本もキナくさい動きに巻き込まれつつある。

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