任天堂創業者の孫がファミリーオフィス立ち上げ投資家に転身も…華麗なデビューは飾れず
ファミリーオフィス(個人資産の運用会社)は欧米では古くから超富裕層たちが一族の財産を守り、永続的に引き継いでいく手段として活用してきた。日本でも莫大な資産を運用するファミリーオフィスが誕生した。ゲーム会社、任天堂の創業家、山内家の親族たちの会社がそうである。
一般社団法人「Yamauchi-No.10 Family Office」(ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス、東京都港区六本木)が、山内家の資産を運用するファミリーオフィスの名前だ。
2020年6月、任天堂の山内溥元社長から相続した同社株をもとに、孫の山内万丈代表(29)が立ち上げた。1000億円を超える運用資産額のうち半分をスタートアップ企業に投資する。
ヤマウチは22年初め、米国の日本株ファンドのタイヨウ・パシフィック・パートナーズを買収した。
タイヨウは01年設立の日本株ファンド。中小型株を中心に集中的に長期投資する。投資先は30社以下に絞り込んだ。増配や自社株買いなどを要求する「物言う株主」とは一線を画す。運用資産は約4000億円だ。