鶏卵最大手イセ食品の経営破綻で…「パンドラの箱」引き取る支援者は?
卵価はこの先どうなるのか。「森のたまご」や「伊勢の卵」などで知られる鶏卵最大手のイセ食品(東京・有楽町)が先週末、経営破綻した。金融機関との間でつなぎ融資を受ける契約を締結済みで、「事業の継続に当面問題はなく鶏卵の供給や取引相場への影響は限定的」(関係者)としているが、流通業界筋からは仕入れを不安視する声も上がる。
イセ食品はグループ全体で飼育羽数約1300万羽とされ、国内シェア10%を握る。全国に生産拠点を展開。育種、飼育、採卵、加工から配送までを一貫して手掛け、イオンやイトーヨーカ堂など大手スーパーに取引基盤を構築。さらには北米や中国をはじめとしたアジアにも進出するなど拡大路線を走ってきた。
しかしM&Aなどで借入債務が膨らむ一方、飼料や燃料などの生産コスト上昇も重なって業績が悪化。金融機関との間で私的整理の方向で調整を進めてきたが、交渉に行き詰まり、大口債権者のあおぞら銀行と大株主から東京地裁に会社更生法の手続きを申し立てられた。信用調査会社の帝国データバンクによると負債総額はグループで453億円にのぼる見込みだ。