レノバ(上)洋上風力で「全勝を目指す」はずが実質的な初戦で敗北
洋上風力は「日本の再生可能エネルギー普及の切り札」と目されており、エネルギー業界の主要企業が大口案件の獲得にしのぎを削る。実質的な初戦となった秋田県と千葉県の3海域で建設する洋上風力発電事業の入札で、三菱商事を中心とする企業連合の“総取り”となった。価格破壊といえるほどの売電価格の安さが、勝敗の決め手となった。
公募があったのは秋田県能代市・三種町・男鹿市沖、秋田県由利本荘市沖、千葉県銚子市沖の3地域。ここに134基の大型風車を設置する。総出力は、およそ170万キロワットで原子力発電所2基分に相当する。
主戦場だった由利本荘市沖(65基、81.9万キロワット)で早くから事業の検討を始め、優勢と取り沙汰されていたのが、再生可能エネルギー専業のレノバ(東証1部)だったが、あえなく敗退した。
敗因について、レノバの木南陽介社長は、次のように語った。
「まだ分析中だが、今回の結果を受けて入札前の大方の想定から市場環境は大きく変わった。風車の調達や建設のあり方などを見直し、あらゆるコストを引き下げる必要がある。洋上風力を単体で考えていた従来の見方を改め、電力の売り先などと協力関係を結んで入札に挑むなど事業モデルを一層工夫する(必要がある)」(日本経済新聞2月10日付朝刊「そこが知りたい」)