小沢コージ
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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

韓国ヒョンデが12年ぶり再参入 新作EVアイオニック5をちょいと味見したら衝撃だった!

公開日: 更新日:

ヒョンデ IONIQ 5(車両価格:¥4,790,000/税込み~)

 先日12年ぶりの乗用車販売の日本再参入を発表した韓国メーカー、ヒョンデ。受注は5月以降だが、いまだかつてないオンライン販売やエンジン車なしのZEV(ゼロエミッションヴィークル)のみの展開、定額サブスクリプションプランの充実など成功の方程式はぶっちゃけ「クルマのスマホ化」だ。新世代ZEVをスマホの如く新サービスと同時展開。新しモノ好きを中心に捉える目論見なのだ。

 とはいえ、ホトケ作って魂入れずではないが、いくら戦略が面白くても中身が冴えなければ成功しない。肝心の商品をひと足先に借り出し、実力を試してみた。去年欧州で発売された新作バッテリーEVのアイオニック5だ。

 驚くのは超わかりやすいデジタルデザイン。全長×全幅×全高は4635×1890×1645(mm)と横幅デカめのSUVフォルムだが、ディテールが超ユニーク。三角定規のようなサイドのプレスラインはコンピューターグラフィックのようだし、リアのペキペキ直線デザインも同様。手叩き鉄板で作られた60年代のクラシックカーとは対照的だ。

韓流“走るスマホ作戦”は成功するのか?

 極めつけは「パラメトリックピクセル」と名付けられた前後LEDライトで、ヘッドライトはまさしくモニター画像素子の拡大版だし、リアの格子柄はロボットのよう。マンガっぽいまでに21世紀感を強調している。

 インテリアもそれは同様で、色調こそウッド調パネルや暖かみのあるクリーム色が使われているが、デザインそのものはパソコン的。センターには大型12.3インチワイドディスプレーが2つ並び古典的な自動車インテリアとは一線を画す。

 さらに驚くのはスペース配分で、全長4.6m台と短めだが前後タイヤ間のホイールベースはなんと3m! エンジンスペースがとられるガソリン車では絶対に不可能なレイアウトで、トランク容量も527ℓと超広い。広さや居心地という部分でEVならではの良さを引き出している。

日本製EVとは別次元の領域の驚き

 走りも象徴的だ。今回乗ったのは最上級グレードのラウンジAWDで、フロント70kW、リア155kWのツインモーターにより合計225kW(305ps)の高出力。ガソリンSUVではあり得ない0-100km約5.2秒の韋駄天っぷりで、テスラEVほどの首が痛くなるほどの加速はないが、電動感は十分以上。そう、デザイン、パッケージ、走り味、演出すべてで「EVでしか作れない味」を強調しているのだ。

 ここは日本のEVとは正反対で、日本車が「ガソリン車から乗り換えた時の違和感のなさ」を大事にするのに対し、アイオニック5は「EVならではのユニークさ」を強調している。驚きという意味では、日本製EVとは別次元の領域に達している。

 さらに凄いのは価格戦略で、58kWhの電池を積むベース車が479万円から、72.6kWhの電池を積むボヤージュが519万円から。おそらく年央に発売されるトヨタEVでも達成できない低価格だと思われる。これまた大容量電池を自国内で格安で調達できる韓国ならではのメリットを生かした結果なのだ。

 もちろん走り味では日本製EVも負けてないが、EV元年ともいわれる今年、総合力やビックリ度ではアジアの中で一つ図抜けた感じのある韓国製EV。質感的に若干物足りない部分もなくはないが、ズバリ、恐怖を覚えた次第である。

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