新型ヴォクシーハイブリッドを公道100kmで実燃費テスト 驚愕のリッター20km超え!
トヨタ ヴォクシーハイブリッドS-Z(車両価格:¥3,740,000/税込み)
1月13日に発売、約1カ月後の2月中旬に受注7万台を記録した新型トヨタ・ノア&ヴォクシー。ひさびさ登場の人気ミニバンが、これまたひさびさ大台突破といった感じだが、気になるのは車内の広さや便利機能だけじゃない。
もちろん好きな開閉ポジションで止められる電動バックドアや、同様の手動式フリーストップバックドアの出来は素晴らしい。これまで難アリだった狭い駐車場での荷物の出し入れはラクチンだし、セーフティー機構のおかげで後ろの壁とバックドアとの間に人が挟まることもない。ただ同時に効いてるのが、とてもミニバンとは思えない低燃費性能だ。
新型ノア&ヴォクシーは新世代1.8ℓハイブリッドと2ℓガソリンが選べるが、前者のWLTC燃費は最良23.4km/ℓ。今回テストで借り出した最上級グレードS-Zでも23.0km/ℓを記録する。匹敵するのは軽のホンダN-WGNの23.2km/ℓやコンパクトカー、スズキ・スイフトの23.0km/ℓ、同じトヨタミニバン、シエンタハイブリッドの22.8km/ℓぐらい。
走りの質感はしっかりと向上している
全長ほぼ4.7mで車重1.6トン超えミニバンの燃費が、全長3.4m弱の軽ハイトワゴンや全長4m切りのコンパクトカーと同等レベル。これって十分凄いし、使う身としては気楽でエコだ。なにしろ一人で乗ってもガソリン代がコンパクトカーとほぼ変わらないはずだから。
果たして実燃費と走りはどうなのか? 今回筆者は、借りたハイブリッドS-Zで東京ー大宮往復燃費テストを敢行した。
システム出力はエンジニアによると138ps。車重の割に大したことはない。だが乗ってみると、発進は滑らかでほどよくパワフル。なぜなら旧型よりモーター出力が増し、発進でそこが効いているから。そのほかボディー剛性は明らかに増し、乗り心地もステアリングのしっかり感も向上。今まで走りの質感が若干物足りなかったヴォクシーだが、新世代プラットフォームでそこは十分補強されている。
サイズを考えると高速燃費は破格
肝心の燃費だが、走り始め10kmでのメーター計測燃費はリッター9km台。同燃費レベルのコンパクトカーより明らかに悪く、特に寒い日の朝は実燃費が今ひとつ。広い車内を暖めるのにガソリンを使うからだろう。
ただし十分に暖まった後はなんとかリッター19km台まで伸ばした。さらなる驚きは、一度暖まった後に時速20〜30kmのゆっくり走行でもリッター20km台を記録したこと。特に定速での街中燃費は優れているもよう。
一方、苦手なのは高速燃費で、WLTCモードを見ても総合より微妙に劣る。しかし今回高速を走ってみると、渋滞気味で平均時速70km程度だったこともあり、メーター読みでなんとリッター22.7kmを記録! これはサイズを考えると破格だ。もちろん時速100kmレベルだとリッター20km前後かもしれないが、それでもなかなか。
やはり燃費性能においてトヨタハイブリッドの実力は絶大。後はぜひユーザーさんのリアルレポートを待ちたいところだ。