米国における利上げと株高の関係は過去11勝1敗 気になる「1敗」と現状の類似
米国株を大きく振り回している金利の動向だが、米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ抑制のため、3月をメドに政策金利であるFF金利の引き上げを開始する方針だ。
では、3月から実際に利上げが実施されたら、米国株式市場はどう動くのだろうか。過去のデータから見てみたい。
1950年代以降、米国の利上げ局面は12回あったが、その局面でのS&P500指数のパフォーマンスは11勝1敗である。上昇率の幅は年率平均3.7%から24.5%。平均は約9%だ。唯一の例外は1972年から74年の期間で、株価は値下がりした。この時はスタグフレーション(インフレと景気後退の同時進行)の状況にあり、同指数の下落率は同8.6%だった。
というように、利上げが実施されても株価はおおむね堅調であったことがわかる。いったん利上げが始まってしまうと、その後調整はあるものの、株価は上昇するということだ。
ならば今回も安心かというと、ひとつ気がかりなことがある。インフレの勢いだ。