米国株「経験則」に反して大崩れ…投資家がすべきことは?
米国株がひどいことになっている。それも、いつもと様子が違う。これは相場の転換点かもしれない。
あらためておさらいしてみると、1月27日のS&P500指数は4326ポイントで、年初である1月3日の史上最高値4796から10%の下落だ。ハイテク株比率が高いナスダック総合指数は1月27日1万3352ポイントで、昨年11月19日の最高値1万6057ポイントから実に17%強の大幅下落である。
米国株の大幅下落の理由は言うまでもない。米国FRBが、インフレを抑制するため、現在の事実上のゼロ金利政策をやめ、金融引き締め(利上げ)をこれまでの想定よりも急速かつ強力に行うのではないかという警戒感から生じている。
金利と株価は反比例するもので、金利が上がる場面で株安が起きることは何も珍しくない。しかし、今回はちょっと様子が違う。タイミングが早すぎるのだ。多くの日本の市場関係者も「利上げの悪影響が出るのは早くて春先からと思っていた」と驚いている。
どういうことかというと、市場には「初回の利上げは買い」という経験則が存在するのだ。利上げは、景気の過熱が引き起こすインフレを抑え込むために行われる。しかし、見方を変えると、景気の過熱は悪いことではない。不景気よりはずっといい。そこで最初の利上げ時期には、足元の景気の強さが再認識されたとして、株価は上がることが一般的なのだ。