2022年地銀再編を促すキーファクター MUFGやSBIの動向は?
2022年、地銀再編は進むであろうか。その帰趨を占うキーファクターはいくつかある。
まず試金石とみられるのが年末に経営統合を発表した愛知銀行と中京銀行のケースだ。名古屋に本店を置く両行は、22年10月に共同持ち株会社を設立し、その傘下に両行がぶら下がった後、2年後の24年をめどに合併する計画だ。統合後の預金量は5兆円規模、貸出残高で地域トップの地銀グループが誕生することになる。
愛知銀行の伊藤行記頭取は経営統合の狙いについて、「単独でシェアを増やすことは難しく、長い将来を見据えたときに、経営統合が必要だ」とした上で、「生き残りのためではなく、愛知の(融資)シェアはトップになる。攻めの統合だ」と強調した。事実、中京地区の金融機関の競争が厳しい。貸出金利も“名古屋レート”と呼ばれるほどシビアだ。厳しい競争に打ち勝つためには経営統合による規模拡大が必要だということであろう。