“日大のドン”が書き残した「田中メモ」の中身 スポーツ界・政界の面々はビクビク

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「日大のドン」の辞任から一夜明けた2日、東京地検特捜部と東京国税局は所得税法違反事件で日大本部(東京都千代田区)と田中英寿・前理事長(74)の自宅(杉並区)を家宅捜索した。

 田中容疑者は一貫して「現金は受け取っていない。脱税はしていない」と関与を否認。特捜部はこれまで自宅で見つけた1億円以外にも、現金を隠していないか調べている。

「理事長は昔から現ナマ主義で、銀行口座も持っていない。通帳がないから金の出入りを記録するため、メモを残している。いつ、どこで誰からもらった金か。どこの誰に金を渡したか、全てを書き残しているそうです。東京五輪の招致に使われた資金の一部も、自分が払ったと周囲に吹聴していました」(日大関係者)

 ドンは一見、「豪放磊落」に見えるが、実は神経質で猜疑心は人一倍強い。

「怪文書がバラまかれると疑わしい人物を呼び出し、『みんなにも言っているんだが』とウソをつき、その相手にしか話さないネタを提供する。いつ誰とどんな話をしたかメモに残す。後日、その内容が怪文書に書かれていると、その人物を地方の施設の用具係など、閑職に追いやるのです。周りは、なぜ誰が怪文書を流したか分かったのか驚き、恐れる。そうやって恐怖支配を強めていきました」(前出の日大関係者)

ヤクザから政治家まで交友関係は幅広い

 学生横綱で日本オリンピック委員会(JOC)の副会長を務めた田中容疑者は、スポーツ界に多大な影響力を及ぼす一方で、反社会勢力との付き合いも度々報じられてきた。同じ青森出身で住吉会の福田晴瞭元会長(78)をはじめ、6代目山口組の司忍組長(79)、高山清司若頭(74)、戦後最大のフィクサーといわれた許永中(74)と親しくしていた。

 2015年4月の衆院文科委員会では、田中容疑者と司組長のツーショット写真を海外メディアが「ザ・ヤクザ・オリンピック」というタイトルで報じたことが取り上げられた。見解を求められた当時の下村博文文科相(67)は日大とJOCに調査を指示したが、田中容疑者が「事実無根。作られたものだ」と完全否定すると、この件はあやふやになり、その後、田中容疑者はJOC副会長を辞任した。

「田中前理事長の人脈は反社会的勢力やスポーツ界だけでなく、政界や法曹界にも広がる。下村氏や警察官僚出身の亀井静香氏(85)は前理事長に政治資金パーティーの券を負担してもらっていた。特に亀井氏は警視庁や防衛省、海上保安庁のOBらを教授陣に揃えた危機管理学部の創設に尽力し、祝賀会には警察OBが数多く出席していた」(別の日大関係者)

 意外な交流のある政治家もいる。9月の自民党総裁選に出馬した野田聖子地方創生相(61)だ。17年6月25日、野田は東京ドームで開催された巨人中日戦を夫婦で観戦。その日は日大が公式スポンサーを務める「日本大学デー」だった。野田氏は、背任容疑で逮捕・起訴された元理事の井ノ口忠男被告の実姉から招待されていた。野田事務所によると、その際、田中容疑者を紹介されたという。

「田中メモ」に名前が記載されている面々は、今頃、ビクビクしているはずだ。

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