中西文行
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中西文行「ロータス投資研究所」代表

法政大学卒業後、岡三証券入社。システム開発部などを経て、岡三経済研究所チャーチスト、企業アナリスト業務に従事。岡三インターナショナル出向。東京大学先端技術研究所社会人聴講生、インド政府ITプロジェクト委員。SMBCフレンド証券投資情報部長を経て13年に独立。現在は「ロータス投資研究所」代表。

米中の新冷戦は激化する バイデン政権は北京五輪で外交ボイコット

公開日: 更新日:

 自民1強、野党乱立の日本と異なり、2大政党制の米国では、現政権への支持率の低下は来年11月の中間選挙に影響する。バイデン民主党政権は、公約の大胆な財政支出を可能とする連邦政府債務上限の引き上げや適用停止を巡り、党内左派グループ、共和党との駆け引きに苦慮している。

 米財務省は18日、4週間物財務省短期証券(TB=総額100億ドル)を売却したが、最高落札利回りは0.11%と2020年7月以降で最も高くなり、投資家の警戒感が示された。

 イエレン米財務長官は16日の議会指導部宛ての書簡で、連邦債務の法定上限引き上げか適用停止の対応がない場合、12月15日以降に政府機関の活動を賄う資金が不足する恐れがあるとした。このTBの償還期日12月21日は債務上限期日ゾーンに該当、バイサイド投資家が敬遠したという。

 さて、どこの国の政権も内政が混迷すれば、国民の関心を外部に向けるのは常套手段。バイデン政権は12月9、10日に民主主義サミットをオンラインで主催、共産主義の中国を牽制する。北京冬季五輪で、ジョンソン英首相は米国に続き「外交ボイコット」を検討しているという。バイデン大統領は中間選挙まで「新冷戦」の強い大統領を演じるようにみえる。

人民元のデジタル通貨を警戒

 1980年7月に開催されたモスクワ五輪は共産圏で初めての大会だったが、前年のソ連のアフガニスタン侵攻に抗議したカーター米大統領がボイコットを呼びかけ、英国、フランス、西ドイツ、イタリア、日本などは不参加となった。「時計の針」の後戻りか--。欧米をしのぐ経済発展、コロナ禍収束の中国の政治経済体制への挑戦である。

 米国は、1869年に北米大陸横断鉄道を開通させて経済発展したが、多くの低賃金の中国人労働者が建設に従事した。いま、その中国がユーラシア大陸横断鉄道の増設に邁進。中欧班列(中国と欧州を結ぶ定期列車)が、18日に貴州省貴陽市の都拉営駅から発車し、12月3日にモスクワに到着予定。貴州発「中欧班列」の運行が始まる。所要期間は船便の53日間より約38日間短縮され、輸送効率が大幅に向上する。貴州省とポーランドのマワシェビチェ、ドイツのデュイスブルクを結ぶ運行も近く始まる。

「物流」は経済の要。ヒト、モノが動けば、カネも循環し、人民元の商圏は拡大、景気が良くなる。中国は北京五輪の開催に合わせて、世界に先駆けデジタル通貨のデジタル人民元を本格流通させるとみられ、ある意味、米ドルに挑戦する。米国は内心穏やかではないだろう。半導体産業の集積地となった台湾、その外交問題も絡めて、米中の駆け引きが激化するだろう。

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