小林佳樹
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小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

SBGが大株主の米ウィーワークも…“空箱上場”SPACの危うさ

公開日: 更新日:

 ソフトバンクグループ(SBG)が1兆円を投じて8割の株式を所有するシェアオフィス・米ウィーワークが10月21日、ニューヨーク証券取引所(ナスダック)に上場した。だが、上場の手法は異例で、ナスダックに上場する特別買収目的会社(SPAC)の「ボウX・アクイジション」との合併を通じてのもの。上場後の銘柄コードは「WE」で、上場初日の株価は13%高で引けた。投資家に一定の評価を得た格好だ。

 しかし、上場初日の時価総額は、SBGが出資した19年当時の評価額470億ドルには遠く及ばない約90億ドルに沈んだ。また、上場したもののウィーワークは依然として赤字経営が続く。今年上期の損益は29億8000万ドル(約3397億円)の赤字となっている。同社のサンディープ・マスラニCEOは来年には、フリーキャッシュフローの黒字化を達成するとするが、予断を許さない。

 さらに、ウィーワークのSPACを通じた上場は問題含みとも指摘される。SPACはみずから事業を営まず、未公開会社や他社の事業を買収することを目的に株式を公開する会社で、事業実態がないことから「空箱」と称される。買収先を見つけると、その会社と合併し、事業を営む買収先が存続会社となる。株式公開時にはどの会社に投資するかは白紙で、投資家はSPACの運営者の目利き力を見込んで投資する仕組みだ。このことからSPACは白紙の小切手を指すブランク・チェック・カンパニーとも呼ばれる。一種のM&Aのプラットフォームと言っていい。

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