コロナ収束の兆しで増える大手企業の“黒字リストラ” 逆ピラミッド型の年齢構成改善が急務
これまで猛威を振るってきた新型コロナウイルスが全国で収束の兆しを見せてきた。だが経済回復の期待が高まるにつれ、懸念され始めているのが大手企業のリストラの動向だ。
9月末時点での主な上場企業の希望・早期退職者募集は67社、1万4225人(前年同期63社、1万128人=東京商工リサーチ調べ)。コロナ禍の影響を受け募集企業や人員は増加しているが、コロナ収束で注目されているのが黒字企業の早期退職者募集。すでに27社(40.3%)が実施しているのである。東京商工リサーチ情報本部二木章吉氏が分析する。
「(黒字企業の)大半は減収減益ですが、コロナ禍で経営が悪化し、赤字立て直しで切羽詰まってリストラを行う企業(40社59.7%)と黒字企業のリストラは意味が違います。黒字企業は人材の採用に余裕があり、リストラは可能でもコロナ禍では企業イメージを悪化させるため躊躇していました。しかし経営改善のため、コロナの収束を待って動き始めています。高齢者が多い逆ピラミッド型の年齢構成をはじめとする構造改革が急がれているんです」