重道武司
著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

業界再編を促す腹積もりか…村上系ファンドに怯える“キャッシュリッチ”ゼネコン

公開日: 更新日:

 総額100億円超の利益が村上世彰氏らの懐に転がり込んでくる見通しだ。

 先週20日に543.9億円、1500万株にものぼる自己株TOB(株式公開買い付け)を完了したと発表したゼネコン準大手の西松建設。その筆頭株主で発行済み株の25.41%を握っていたのが村上氏系の投資ファンドだ。

 今回、西松建設は村上氏側と「公開買付応募契約書」を交わした上で、9月6~10日の終値単純平均である1株当たり3626円でTOBを実施。村上氏側の保有全株(1389万株余)を買い取る。買い付け資金のうち500億円はみずほ銀行からの借入金で賄われる見込みで、11月12日に資金決済される予定だ。

 村上氏側が買い進めてきた西松建設株の平均取得単価は1株2900円弱。売却収入の一部にはみなし配当課税などがかかる可能性があるとはいえ、単純計算ではざっと503億円ものキャッシュと100億円の差益が村上氏側の手に渡ることになる。

 西松建設と村上氏は株主還元策などを巡って対立。一時は村上氏側が2000億円規模の巨額自社株買いや経営方針の変更を求めるなど攻防が過熱化していたが、今回、西松側が約500億円の「手切れ金」(関係者)を支払うことでようやく折り合った格好だ。

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