原油高「5つの背景」と加速する日本売り “悪い物価上昇”でデフレ継続の分水嶺に
原油価格が今春以降、コロナ感染拡大とともに上昇を続けている。米国の指標原油のWTI原油先物価格は10月に入り1バレル=83ドル台となった。昨年10月時点では35ドル程度だったから驚異的だ。
この背景は――。
①米国シェールオイル生産の低迷。米国は2018年に世界最大の産油国となり、19年11月に原油日量1286万バレルと史上最高に達した後、21年2月には日量977万バレルまで減少、21年7月時点でも日量1150万バレル程度に低迷していた。
②OPECプラスの増産が見送られたこと。石油輸出国機構(OPEC)プラスは10月4日の閣僚級会合において、月に日量40万バレルのペースで増産する現行の合意案を11月も維持するとした。次回の会合(11月4日予定)まで原油供給不足は継続する。