新規株式公開が活発だが…投資家の敵「上場ゴール」の見分け方
今年は株式相場が好調なこともあり、新規株式公開(IPO)が活発だ。年間で100社を上回り、2007年(121社)以来、14年ぶりの高水準となる可能性が高い。
ところで、「上場ゴール」という言葉をご存じだろうか。これは、上場が目的化するあまり、身の丈以上の事業計画を立てて大きな注目を集めながら、上場直後に経営陣が巧みに自社株を売り抜けたり、業績の下方修正を出したりして、株価は上場時がピークで、その後は低迷を続けるベンチャー企業をヤユしたものだ。
典型的な「上場ゴール」と言われ、投資家から大ひんしゅくを買ったのがスマホゲーム開発のgumi(グミ)である。上場前から有望な大型銘柄として話題になっていた同社は、14年12月に東証1部に上場。
上場初値は公開価格と同値の3300円で、最高値は3340円だった。そして、上場後わずか2カ月半後に15年4月期の業績見通しの営業損益を13億円の黒字から4億円の赤字へ大幅下方修正。これを受け同社株は、2日連続してストップ安(2日で合計1000円安)となり、1282円まで急落した。その後も一部の経営幹部が持ち株を売却した事実の発覚など不祥事が続出し、株価は今もって低迷したままだ。ちなみに10月15日は882円である。