佐高信
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佐高信評論家

1945年山形県酒田市生まれ。「官房長官 菅義偉の陰謀」、「池田大作と宮本顕治 『創共協定』誕生の舞台裏」など著書多数。有料メルマガ「佐高信の筆刀両断」を配信中。

ソビエトも驚いたブリヂストンの経営理念 地下足袋で訴訟も

公開日: 更新日:

 オリンピックもすでに忘れられた感じになっているが、開会式にトヨタやパナソニックと共に国内最高位のスポンサーであるブリヂストンの関係者が出席をとりやめたのは1つの見識だった。同調圧力の極めて強いこの国で「ノー」と言うのは簡単なことではない。

 私はそこに創業者の石橋正二郎から受け継がれた独特の経営理念を見る。言うまでもなく、ブリヂストンは石橋を逆にしたブリッジとストーンから来ているが、もともとは同社は久留米の足袋屋だった。それが地下足袋を売り出し、1923年の関東大震災で需要が激増する。しかし、翌年に工場で火災があり、一時、生産を中止した。すると、各地の足袋会社が一斉に模造の粗悪品をつくり始めたので、正二郎は特許権侵害の訴訟を起こす。その時に新聞に発表した主張がいい。

「われわれは一企業の私利私欲のため係争しているのではない。当社の地下足袋は労働者階級の履物であり、自信をもって品質優秀のものをつくっている。それに対して各地に品質粗悪な模造品が続出しているが、これを黙認すれば労働者階級は結局粗悪品を履くことになり、大衆の不利益となる。われわれの真意はこの粗悪な模造品を一掃して、日本産業に貢献せんとするにある。従って他社がわれわれのつくるものより良い品をつくり、これを安く売るのであるならば、矛をおさめて係争を止めよう」

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