激化する「関西スーパー」争奪戦 鍵を握るオーケー会長・飯田勧氏の存在
関西地盤の食品スーパー「関西スーパーマーケット」を巡る争奪戦が熱を帯びてきた。
関西スーパーは8月末に「エイチ・ツー・オー・リテイリング(H2O)」傘下の企業と経営統合することを発表したが、そこに関西スーパー株の7%強を保有する首都圏地盤のディスカウントスーパー「オーケー」が割って入り、高い価格でTOB(株式公開買い付け)を提案して、対立色を強めているためだ。
「関西スーパーは今月29日に臨時株主総会を開催し、H2Oとの経営統合について、株主の承認を得たい考えですが、両社の統合は株式交換方式。これに対してオーケーは関西スーパーの9月2日の終値に6割強ものプレミアムを付けた1株2250円でのTOBを提案している。どちらの統合が株主にとって有利なのか判然としないのです」(市場関係者)というのだ。
そうした中、関西スーパーの4%強の株式を保有する「伊藤忠食品」が12日、「賛否を検討する十分な情報がない」として、関西スーパーに対して統合相手(H2O)の価値評価額や算定根拠などを開示するよう求めた質問状を送付したと発表した。伊藤忠食品は食品卸としてオーケーとも取引がある。また、オーケーも統合後の事業計画に疑問を投げかける質問状を送付するなど、揺さぶりをかけている。