米国ではなく中国がくしゃみをすれば世界が、そして日本が風邪を引く
緊急事態宣言が明けた今月上旬、東京の上野駅から御徒町駅へと続く線路ガード下の飲み屋街は、いずこも正午前から飲食を楽しむ老若男女であふれていた。ただ、10月1~7日の大型連休「国慶節」だった中国、香港などの外国人観光客は見られず、コロナ禍前の状態には戻っていない。
内閣府の9月の景気ウオッチャー調査(調査期間9月25~30日)では、景気の現状判断DIは42.1と前月から7.4ポイント上昇し、先行き判断DIも56.6と3カ月ぶりに好不況の分岐点である50を超えた。
ただし、貿易立国の日本の景気を左右するのは輸出であり、世界情勢の影響を受ける。日本の最大輸出先は、中国、次いで米国である。日本貿易会の「日本貿易の現状2021」によれば、2020年の日本の主要貿易相手国シェアでは、輸出のベスト5は、中国22.0%、米国18.4%、韓国7.0%、台湾6.9%、香港5.0%。