ジョニー・デップ主演の映画『MINAMATA』で描かれるチッソの今
ジョニー・デップが写真家のユージン・スミスを演じた映画『MINAMATA』を見た。チッソが有機水銀を垂れ流し続けてきたのをユージンは写真に撮り、それを妨害しようとしたチッソから暴行を受けたわけだが、そんな日本の会社の体質はまったく変わっていない。隠す、脅す、そして潰すというチッソがやったことは、すべての日本の会社に通ずることである。それをまた、メディアは中途半端にしか報じない。「新聞」でなく、「旧聞」だとヤユされることを覚悟して批判し続けなければ、チッソに象徴される日本の会社の封建的で閉鎖的な体質は改まらないのである。
『女帝 小池百合子』(文藝春秋)の著者、石井妙子は、ユージンと共に水俣に住んだ若き妻、アイリーンに焦点を当て、『魂を撮ろう』(文藝春秋)を書いた。