SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)金子良平社長<1>他部署の先輩に励まされ
寝る間を惜しんで働いた金子だが、計数処理は苦手。結果が出ず怒られる毎日だった。
「同期はどんどん肘掛け椅子になってくのに、私は肘掛けのない椅子に座っていました」
努力しても認められない金子は悔しい思いを抱えていた。情けなさもあった。そんな金子に声をかけてくれたのが本部の先輩たちだった。
■「なぜ昇進が遅れているんだ。お前が悪いからだ」
「他部署の先輩たちが“面白いヤツだ”と、目をかけてくれて、発奮させようと『俺たちはおまえのことを買っているのに、なぜ昇進が遅れるんだ。それはおまえが悪いからだ。だから、おまえの支払いで“懺悔の会”を開くぞ』と言いながら、激励してくれたんです。頑張っていれば、見てくれている人たちがいると実感し、本当にうれしかったですね」
このメンバーたちが、その後、金子が人生を大逆転させるきっかけをつくってくれることになる。
「頑張っても出世できなかった経験は、悪いことばかりではありません。管理職になって部下ができると、部下の痛みを理解することができますし、苦境にある時のつらさ、先輩や仲間たちのありがたさを、実体験として語ることもできます」 (つづく)
(経済ジャーナリスト・松崎隆司)