買っていい連続赤字企業はある 「良い赤字」と「悪い赤字」の違いは?
最終損益が複数年連続して赤字の企業に投資していいものだろうか。
一口に赤字といっても、2つに大別できる。「良い赤字」と「悪い赤字」である。
「悪い赤字」とは業績悪化による赤字で、この赤字が続くと負債が資産を上回る債務超過となり、上場廃止につながる。
では「良い赤字」とは何か。健全な赤字のことであり、売上高・利益は伸びているが、事業拡大のための先行投資により最終損益が赤字のことである。
フリーマーケットアプリ国内首位のメルカリを例に、その過程を見てみたい。同社は最終赤字を続けながら成長してきた。2013年創業のメルカリは、わずか5年後の2018年6月に東証マザーズに上場した。上場直前の2017年6月期の売上高は220億円、最終損益は42億円の赤字だったが、わが国で初めてのユニコーン企業の上場ということで、赤字企業ながら投資家の関心は高く、公募価格は3000円に対し、初値は66%上回る5000円だった。
同社の赤字の原因は、①広告宣伝費②米国の事業への先行投資という2つの費用が突出していることだった。