新生銀行は岸田文雄も勤めていた旧長銀 「宏池会のサイフ」と呼ばれたワケは
前回、SBIホールディングスの社長、北尾吉孝について書いたら、直後に、同社が新生銀行にTOB(株式公開買い付け)をかけると発表して、その偶然に驚いた。
北尾は元金融庁長官の五味広文を、めざす「第4のメガバンク」の会長に据える予定で、五味の了承も得ているというが、TOBをかけられた新生銀行とはどんな銀行なのか?
同行の前身は日本長期信用銀行である。ちなみに、いま話題の自民党総裁選の有力候補、岸田文雄は長銀に勤めていた。それも当然で、長銀は自民党の派閥、宏池会のサイフといわれてきた。宏池会の創始者、池田勇人が旧大蔵官僚で首相になる過程で、政治資金捻出のためにつくったのである。岸田の父親の文武は旧通産官僚だったが、もちろん、宏池会で、息子の文雄は”宏池会銀行”に入った。
一般の銀行とは違う長銀は甘い経営がたたって破滅への道をたどる。バブル当時のトップの杉浦敏介は、イ・アイ・イのプロジェクトをはじめ、放漫経営の張本人だったが、高額の退職金をせしめて問題となった。
そして、竹中平蔵が登場する。