コロナ禍で破綻リスク企業が急増中 見分ける方法はあるのか
コロナ禍の長期化により、上場企業でもサービス業や外食産業など深刻な経営不振に陥る企業が増加している。そんな企業の株を保有している個人投資家はヒヤヒヤだろうが、では投資家は破綻リスクのある企業をどうやって見極めたらよいのか。
手っ取り早いのが、その企業が発表している決算短信だ。そこに次の文言があるかどうかがポイントになる。
①事業の存続性に疑念ありとする場合には、「継続企業の前提に関する注記(ゴーイングコンサーン注記)」(GC注記)、②GC注記には至らないが、事業継続に重要な疑義を生じさせる事象がある場合には、「継続企業の前提に関する重要事象」(重要事象)だ。「会社四季報」誌上にもその旨の表示がある。
では、この決算短信への「GC注記」「重要事象」の記載はだれが判断するのであろうか。それは、監査法人でも東証でもなく、その企業の経営者なのだ。「当社は、事業を継続することに問題点があります」と経営者が自ら投資家や取引先に注意喚起しているのである。
21年3月期決算を発表した上場企業2395社のうち、「GC注記」「重要事象」の記載企業はそれぞれ26社、63社で、合計89社であった。これはコロナ感染が始まり大幅増加した前年よりさらに6社増加し、リーマン・ショック時以来9年ぶりの高水準である。