沖縄発「やっぱりステーキ」が都心に侵攻 ガチンコ勝負で「いきなり!ステーキ」が不利なワケ

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 コロナ禍で打撃を受ける外食業界だが、不利な状況を逆手に店舗を拡大させているのが、2015年2月に沖縄・那覇で1号店をオープンしたステーキチェーン「やっぱりステーキ」。この8月、芝大門店がオープン。東京都心に初進出し、連日盛況と報じられた。

 現在、全国で75店舗を展開。都内は芝大門のほか、吉祥寺と蒲田に出店しているが、今後も緩やかに店舗を拡大していくという。

「やっぱりステーキが進出した芝大門は、くしくも今年3月まで「いきなり!ステーキ」の店舗があったエリアです。実験店と位置づけ、タブレット端末による注文やセルフ会計といった省力化を進め、今後はこのスタイルを定着させていくようです」(外食コンサルタント)

 勢いに乗るやっぱりステーキと対照的なのが、「いきなり!ステーキ」だ。

「2013年に銀座4丁目に1号店をオープンし、当初は比較的廉価にステーキが食べられることで行列できるなど好調でしたが、同じ商圏内に店舗展開するなど、戦略なき急拡大による自社競合が起こりました。さらに、相次ぐ値上げでお得感が薄れ、業績が悪化。ニューヨーク進出も失敗し、一時は債務超過に陥りました。結局、業績堅調だった虎の子の『ペッパーランチ』をファンドに85億円で譲渡する羽目になり、新株予約権の行使による資金調達、不採算店の撤退と人員削減などによって、倒産寸前のところからなんとか持ちこたえている状況です」(前出・外食コンサルタント)

 8月13日に発表されたペッパーフードサービスの21年12月期第2四半期決算は、主力のいきなり!ステーキ単体で売上高は86億6500万円、純利益は7600万円の黒字に。会社全体の通期決算は、4回目の緊急事態宣言の影響などで営業益は13億2300万円の赤字だが、雇用助成金収入により6100万円の最終黒字を見込んでいる。現在店舗数は241まで縮小。赤字要因だったウミを出し、メニューや価格の見直し、テークアウトやデリバリーのほかキッチンカーの運用などで来期以降は着実な黒字を見込んでいるという。

価格とサービス面ですでに差がついている

 だが、都内に店舗を広げつつある「やっぱりステーキ」とガチンコ勝負になった場合、「いきなり!ステーキ」は分が悪いという。

「いきなり!ステーキの失敗を反面教師にしているようで、あくまで慎重に店舗展開を進めています。今後、都内で両者が激突する場合、価格やサービス面でやっぱりステーキのほうが優位だと見ています。いきなり!ステーキは、サーロインなどの高価格帯メニューのテコ入れを行っていますが、客の多くは手ごろなメニューを選ぶ傾向があり、ワイルドステーキ(150g/880円、200g/1133円、ともに税別)が主力商品ですが、以前ランチでついていたライス、サラダ、スープが別料金になったため不評です。それに対して、やっぱりステーキの場合、赤身ステーキ200g/1000円、やっぱりステーキ150g/1000円(ともに税込み)という価格設定のうえ、ライス、サラダ、スープ込みでおかわり自由です。さらに、ステーキソースのバリエーションが豊富(スパイス含めて11種類)で、噛みきれない肉の筋などを丁寧にとっているため、食べやすいと評判です」(前出・外食コンサルタント)

 こうした企業努力の差が、店選びにおいて大きく影響するという。そして、なにより経営者の問題が、最も大きいとのこと。

「いきなり!ステーキの一瀬邦夫社長は78歳と高齢ですが、やっぱりステーキの義元大蔵社長は46歳と経営者としてこれからです。いきなり!ステーキのつまずきは一瀬社長のワンマン経営によるものというのがもっぱらですから」(前出・外食コンサルタント)

 現在、いきなり!ステーキの店舗数はやっぱりステーキの約3倍と開きがあるが、サービス面ではやっぱりステーキが上回っているという評価だ。首都決戦の軍配は?

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