ダイオーズ 大久保真一社長<1>日本初のオフィスコーヒーサービスを展開

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 仕事中のリラックスタイムや眠気覚ましに重宝されているオフィスコーヒー。従業員満足度向上のための重要なツールでもあるオフィスコーヒーのサービスを、日本で初めて展開したのが株式会社ダイオーズだ。

 1969年に起業してから50年超、時代のニーズを捉えて事業を展開してきたダイオーズ代表取締役社長の大久保真一氏。大切にしてきたのは「商売は頭ではなく心」という父の教えだ。

 東京・浅草の米穀店の長男として1941年に生を受けた大久保氏。小学生の頃から後継ぎとして家業を手伝っていた。

「当時の米屋はご用聞きをして配達するのが一般的。うちは父がご用聞きをしながら配達し、母が店番や精米をする小さな米屋でしたから、私も日ごろから手伝っていました。顧客も商店ばかりなので終業後の夜遅くに、『明日の朝に食べる米がないからすぐ届けてほしい』という電話がかかってくることも少なくありません。父は夜になると晩酌をするので、そのような時は酔った父の代わりに私が配達をしていました」

 父親は小学校を卒業してすぐ浅草の米穀店で奉公をし、年季が明けた後に暖簾分けによって独立した根っからの商売人。息子にも「商売に必要なそろばんと簿記だけをやればいい」とそろばん塾には通わせたが、勉強については一切言及してこなかった。

 大久保氏も中学を卒業したら父親の言う通り、米穀店で奉公するものだと思っていた。そして、日々の手伝いの中で商売に対するやりがいを実感するようになっていったという。

「父の代わりに夜遅くに配達に行くとお客さんがとても喜んでくれるのがうれしくてね。それで正月用の賃餅(代金を取ってつく餅)の注文を取る時には、『いつもお世話になっているから親戚の分もまとめて注文するよ』と言ってくれたりする。当時の米穀店は統制経済で営業エリアが定められていましたが、賃餅だけはエリアに関係なく注文を取ることができるんです。日ごろから心を持って接客していたから注文をいただけたと感じている。父が常に口にしていた『商売は頭じゃない、心なんだよ』という言葉を理解した瞬間でした」

■中学卒業後、大阪で商売の修業をするはずが…

 大久保氏は浅草小学校から蔵前中学校(現・浅草中学校)と地元の公立校に通学。卒業後は父の希望によって商人の町・大阪で修業をするつもりで過ごしていたが、中学3年になって、その計画に「待った」がかかった。母親が高校進学を主張し始めたのである。

「蔵前は問屋が多く、生徒も商家の子供ばかり。保護者会で親たちと『これからは商家も高校に行く時代だ』という話になったらしいんです。母は当時では珍しく高等女学校まで進学した勉強好きだったので、息子に学業も修めてほしいと思ったようです。両親の話し合いの末、家業を継ぐことを踏まえて公立の商業高校ならいいだろうと父の許可も下りて、受験をすることになりました」

 大久保氏自身は進学に興味があったわけではないが、母の思いに応えようと受験に挑んだという。その結果、東京都立京橋商業高校(現・晴海総合高校)に合格。こうして、米屋の2代目としてレールの敷かれた人生に変化が生じ始めたのである。(つづく)

(ジャーナリスト・中川明紀)

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