松島修
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松島修投資助言会社社長

1960年東京生まれ。94年投資助言会社エフピーネットを設立し代表取締役に就任。メルマガ「イーグルフライ」で投資アドバイス。2008年からの金融危機前に各相場のピークを予測し「全ての投資をやめる時」と事前に警告したことで知られる。テレビ東京、日経新聞などメディア出演多数。無料メルマガ「リアルインテリジェンス」で最新情報を提供中。

投資に勝つにはテーパリングを正しく理解する 間違った報道も多い

公開日: 更新日:

 現在、世界の金融関係者が一番注目している大事なことがテーパリング(Tapering)です。

 ただ、テーパリングについての報道や専門家たちの発言に間違いが多いです。

 正しい情報と実践的なインテリジェンスを身に付けることが大切です。

 テーパリングを直訳すると「先細り」や「次第に先が細くなっていくこと」です。

 現在、金融の世界でいう「テーパリング」とは、金融緩和(量的緩和)を縮小していくことです。

 つまり、「テーパリング」とは中央銀行が毎月大量に買っている国債や株などの購入量を減らしていくことです。

 ところが、報道や専門家は「テーパリングとは市場金利を引き上げること」だと誤解していると思われる表現が実に多いのです。

 金融緩和は中央銀行が政策金利を引き下げる「金利引き下げ」で、金融引き締めは「金利の引き上げ」です。

 金利を下げると、お金を借りる人が増え、お金が世の中に出回るので利下げは景気を刺激します。

 ところが、金利を下げてもお金を借りる人がいないことや、金利の引き下げはゼロ%が下限のために金利引き下げができなくなりました(一部マイナス金利はあります)。

 日本だけではなく米国・EUがゼロ金利状態になっている状態は過去にない異常事態です。

 そこで、現在の金融緩和は「量的緩和」となっています。

 量的緩和では中央銀行が国債や株などを買うことで市場に直接資金を提供します。

 そして量的緩和をすると市場にお金が大量に供給されるために株価は上昇し、景気は良くなってインフレになります。

 デフレの時は量的緩和ができましたが、インフレになったら量的緩和はできません。

 インフレを抑えるのは中央銀行の役割だからです。

 現在、インフレ傾向が強くなってきたので、量的緩和を減らしていく必要があるためにテーパリングが注目されているのです。

 テーパリング(量的緩和の縮小)が終わると、次は市場に出た資金の回収、つまり中央銀行が買った国債や株を売却していくことになります。

 今まで、中央銀行が国債や株を買っているので株価が上昇してきましたが、今後、国債や株を買わなくなっていくと株価が下落します。

 バブルを支えていた量的緩和を減らしていくことで金融危機再燃となる可能性が高いです。

 ということは、現在、量的緩和を継続するとインフレ、縮小すると金融危機に陥るので、どちらもできない状態なのです。

 今後は悪いインフレであるスタグフレーションになる可能性が高いと判断しています。

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