株式分割はどうしてオイシイのか? トヨタがいい例
最近、株式分割を実施する企業が増えている。たとえばトヨタは1株を5株に分割(基準日9月末)することになっているが、なぜ株式分割をするか、ご存じだろうか。
東証は、常に個人投資家が株式を売買しやすいように考えている。そこで望ましい投資単位(最低投資額)として「5万円以上50万円未満」という水準を決め、上場企業に要請している。現在の上場銘柄の売買単位はすべて100株なので、1株当たりの適正レンジは「500円以上5000円未満」ということになる。この5000円を大きく超える状況が続くと、企業は株式分割を検討するようになるのだ。
今回、株式分割が増えている背景には、昨年来のコロナ相場による株価上昇で、東証の示す最低投資額50万円では買えない銘柄が続出していることが挙げられる。
では、株式分割で株価はどう動くのか。株式分割は、理論上は株価には中立であるが、以下の理由により株価にプラス材料になる場合が多い。①投資単位(最低投資金額)が小さくなるため、買いやすくなる②発行済み株式数が増加することで流動性が増す③保有株式の一部を売却し、一部を保有し続けるといった投資の自由度が高まる。