藤田観光の「ウルトラC」大企業の名を捨て中小企業になっても生き延びる
第三者割当増資で調達した資本を同時にほぼ全額減資する。そんなウルトラCを行う企業が出てきた。ワシントンホテルなどを展開する「藤田観光」だ。
減資されるとわかっている資本を提供する殊勝な投資家は、政府系金融機関の日本政策投資銀行。藤田観光は同行が飲食・宿泊業の支援向けに設けたファンドに対して優先株を割り当てることで150億円を調達するとともに、既存の資本と合わせた計195億円を一挙に1億円に減資する。
「資本金を1億円以下に減らすと中小企業に区分されることになり、法人税率の引き下げや法人事業税の外形標準課税が免除される恩典があります。コロナ禍を受け、中小企業になっても生き延びようという企業はサービス業を中心に急増しています」(大手信用情報機関)という。
宿泊業の名門、藤田観光も大企業の名を捨ててもコロナ禍に負けまいとする必死な姿勢が伝わってくる。