知っておいて損はない日本のユニコーン企業10社
「ユニコーン企業」という言葉を聞いたことがあるだろうか。創業10年以内で評価額10億ドル(約1100億円)以上の未上場テクノロジー企業のことをいう。名称の由来は、伝説の生き物「一角獣(ユニコーン)」で、めったに現れない貴重な存在という意味が込められている。ユニコーン企業とは、出現がまれで巨額な利益をもたらす可能性を秘めた企業というわけだ。
米国では足元で337社ものユニコーン企業が「上場予備軍」として存在する。最近上場したユニコーン企業には、コロナワクチン開発に成功した創薬の「モデルナ」(2018年12月上場、現在の時価総額約9兆円)や、ビデオ会議の「ズーム」(2019年4月上場、同約10兆円)がある。こうした多くの予備軍の存在が、世界最強の米国株式市場を支えている面もあるのだ。
一方、日本のユニコーン企業は現在わずか10社だ。そして上場した事例は「メルカリ」1社のみである。日米の数の差に驚くだろうが、その成長の過程も大きく違う。
米国ではユニコーンのような“スタートアップ企業”にリスクマネーを提供するベンチャーキャピタル(VC)が、日本に比べ圧倒的に充実している。VCから潤沢な資金が得られるので、米国のスタートアップ企業は未上場企業のままで規模を拡大できる。ちなみに、2020年の米国でのVC投資額は約16兆2000億円。一方、日本は4611億円に過ぎない。