業績悪化のJTBは再浮上できるか 夏も冬も賞与ゼロの衝撃
学生の就職人気ランキングで毎年トップ10の常連となってきた旅行最大手のJTB。マイナビなどの調査によると、文系学生の間では「安定している」「業界上位」などの理由から過去2年連続首位。それが「まさか」の惨状である。
JTBが新型コロナ禍に悶絶している。先週末発表した20年度連結決算は最終損益が過去最悪となる1052億円の赤字(前期は16億円の黒字)に転落。期末の自己資本比率は6・9%(前期末24・3%)と債務超過寸前にまで低下した。
山北栄二郎社長はリストラ計画の上積みなどで「21年度は何としても黒字化を実現する」と強調。足元ではみずほ銀行など3メガバンクと日本政策投資銀行による優先株引き受けを軸とした数百億円規模の資本支援協議も進むが、本当に再浮上できるのか。JTBが思い描く「7月以降の国内旅行の回復」シナリオは東京などへの緊急事態宣言再々延長もあり、早くも「視界不良」(業界筋)だ。