銀行法改正案が成立 新たな収益確保か「武家の商法」か
銀行に収益機会の拡大や新事業参入への道を広げる銀行法改正案が先週の参議院本会議で成立した。銀行本体で自行アプリやITシステムの販売、広告や登録型人材派遣、高齢者の見守りサービスといったビジネスが展開できるようになる。11月にも施行される見通しだ。
銀行法は銀行の業務範囲を厳しく規制してきた。さまざまな事業にうかつに手を出して失敗し経営が傾くようなことになれば、預金者保護などに支障をきたしかねないためだ。
しかし地域経済の疲弊や少子化、長引く超低金利などで銀行の収益基盤は揺らぐばかり。その一方で銀行界には「流通大手やIT系企業が相次いで銀行業に参入しているのに、こっちは手足を縛られて身動き取れない」(地銀幹部)との不満もくすぶり続けていた。法改正はこうした不満の「ガス抜き」(金融庁筋)にもつながる。