「投資の神様」が日本株を買い増し 狙いは3メガバンク?
「投資の神様」と称されるウォーレン・バフェット率いる投資会社バークシャー・ハサウェイをご存じだろうか。馴染みがなかったら、覚えておいてほしい。
同社が今月8日、3年連続となる円建て社債を発行した。期間が5年、10年、20年の3本で、発行額は合計1600億円。利率は順に0.173%、0.437%、0.969%である。バークシャーの信用格付け(S&P)はダブルA。ダブルAマイナスのトヨタよりも高いのだが、バフェットは今回の円資金で「また日本株を買い増しするのではないか」と大きな関心を集めているのだ。
というのも、昨年も同じ方法で調達した円資金で、日本の5大商社株を大量購入した実績がある。昨年8月30日、バークシャーは伊藤忠、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅の5大商社の株式をそれぞれ5%超まで取得したと突然発表。この報道により、5大商社の株価は大幅に上昇したものだ。1年ほどの時間をかけて、5大商社株を市場で少しずつ買い増していたのだ。その投資額は推定6000億円強。その円資金をどうしたのかというと、2019年9月と20年4月に、外国企業としては過去最大級の円建て社債を発行し、調達していたのである。当時は、外国企業の大型起債として話題になったものの、この円資金でバフェットが日本株を買うとは予想されなかった。彼は外国株には関心が薄く、ましてや日本株を購入したことはなかったからだ。将来のドル安のヘッジ目的と考えられていた。