航空会社“コロナ保険”無償提供開始…利用者の呼び戻し狙う
コロナと保険 #9
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、安心して旅行できる状況には戻っていないが、航空各社は相次いでコロナ保険の無償提供を開始している。
日本航空(JAL)は今月23日から来年6月30日までにJALが運航する国際線に搭乗した場合に補償対象となる「JALコロナカバー」を提供する。搭乗から31日以内に検査で陽性の判定を受けた場合、医療費最大15万ユーロ(約1900万円)、隔離のための宿泊費1人1日当たり最大100ユーロ(約1万2500円=最長14日間)、帰国が必要と認められた場合の帰国費用最大1500ユーロ(約19万円)などが補償される。
コロナ禍で航空業界は厳しい状況が続いている。10月に公表された21年3月期の中間決算(20年4~9月)でJALは、売上高が前年同期比74%減となった。収入が減っても会社を維持するためのコストはかかるので、お金が回らない状態だ。現在は借入金でしのいでいるが、いつまでも続けるわけにはいかない。コロナ保険の導入は、少しでも利用者を呼び戻したいとの気持ちの表れだろう。
キャセイパシフィック航空も無償のコロナ保険を提供している。補償内容はPCR検査やコロナで入院が必要になった場合、医療費が最大20万ドル(約2000万円)、隔離費用は1人1日当たり最大100ドル(約1万円=最長14日間)となっている。来年2月28日までの搭乗が対象で、補償期間は搭乗から最長30日間となる。