森山高至
著者のコラム一覧
森山高至建築エコノミスト

1級建築士。1965年生まれ。岡山県井原市出身。岡山県立井原高から早大理工学部建築学科に進学し、88年に卒業。斎藤裕建築研究所を経て、91年に株式会社アルス・ノヴァを設立し、代表に就任。04年に早大政治経済学部大学院経済学修士課程を修了した。建築家として関わった物件は1000件以上。長崎県の大村市協定強建替え基本計画策定など、公共建設物のコンサルティングに携わるほか、マンガの原作などの仕事も手掛ける。主な著書に「非常識な建築業界 『どや建築』という病」がある。

鉄板で囲われた国立競技場はさながらバブル後の“幽霊物件”

公開日: 更新日:

 本来なら先週、華々しくオープニングイベントが行われていたはずの東京五輪メイン会場の新国立競技場(現在は「新」が取れ、単に国立競技場と呼ばれている)。5年前、当初の斬新なデザインと建築構造の問題から予算が膨らみ計画見直しになったいわく付きの施設も、開催延期が決まって以降は巷から忘れ去られているかのようだ。

 長雨が続く7月中旬、国立競技場駅からスタジアム正面に向かうため外苑西通りを南方向に歩いてみると、予想以上に荒廃した印象を受けた。「ここが本当に五輪会場なのだろうか……」と思わざるを得ない。

 歩道にせり出すような人工地盤の下の圧迫感は、鉄道高架下を思わせる重苦しさである。植栽も日照不足で心なしか元気がない。さらに敷地ギリギリまで無機質な鉄板のフェンスで囲われているから、余計に殺伐として見える。

 この鉄板越しに見ると柱の内側に、舗装された通路があるだけ。封鎖する必要があるとはとても思えなかった。

 内部への侵入者を防ぐセキュリティー目的ならば建物入り口を封鎖すれば事足りるはずだから、少なくとも工事作業の終わったエリアだけでも開放し、歩道への圧迫感は取り除くべきではないだろうか。

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