LIXILがホームセンター事業売却 創業家一派への意趣返しか
住宅設備大手のLIXILグループがホームセンターを展開する上場子会社LIXILビバを売却することを決めた。売却先は新潟県が地盤の同業、アークランドサカモト。同社が実施するTOB(株式公開買い付け)などを通じてLIXILグループが持つビバ株53%すべてを手放す。
昨年6月に社長兼CEO(最高経営責任者)に返り咲いた瀬戸欣哉氏ならではの「選択と集中」の一環で、「(今後は)メーカーに専念する。水回り事業や建材事業を中心にやっていく」(瀬戸氏)という。
しかし、この売却に取引金融機関の幹部は納得がいかないようで、「LIXILビバは知名度も高く、伸びしろがある事業。わざわざ売却してメーカーに専念する必要はないのではないか」(メガバンク幹部)と首をひねる。
売却の理由は利益率が低いためだと説明されている。LIXILグループの2020年3月期の全体の売上高事業利益率は3・5%だが、ビバを含む流通・小売事業は3・4%で、水回り事業は7・4%。相対的に利益率の低い流通・小売事業は売却され、水回り事業に注力する戦略だ。だが、「ビバを含む流通・小売事業が大きく足を引っ張っているわけではない」(前出のメガバンク幹部)といぶかる。