フォトレジスト関連で世界トップシェア「東洋合成工業」
8月の終わり(30日)に1886円(終値)だった株価は、今月1日に一時、2492円まで上昇した。上昇率は約32%である。
東洋合成工業(4970)という化学メーカーだ。次世代露光技術「極端紫外線(EUV)」の本格化が急騰の理由だった。東洋合成は、このEUV用の感光材(レジスト)材料の生産を手掛けており、業績拡大のきっかけになるとの読みだ。
創業は1954年。独創的な視点を武器に、ニッチ分野で存在感を高めてきた。半導体や液晶ディスプレーの製造に欠かせないフォトレジスト(感光性樹脂)の開発から事業化までに関わる。フォトレジスト用感光材分野では世界トップクラスの実力を誇っている。
半導体基板に回路を描くフォトレジスト用のKrFやArF露光向けは世界トップシェア。顧客からの増産依頼が多く、約70億円を投資し、千葉工場(千葉県東庄町)の感光材の生産能力を6割増やす計画を持つ。2020年の稼働を目指している。
売上比率は感光性材料事業が55%(19年3月期)で、リチウムイオン2次電池の材料となる高純度電解液などを生産する化成品事業が45%となっている。