トヨタ系「大豊工業」米子会社の不正で上場廃止の危機
■株価は一時7年9カ月ぶりの安値
ところが、ここにきて棚卸資産の過大計上を踏まえて過年度決算を見直した結果、TCAは連続赤字に陥っていることが判明。
TCA関連資産の簿価切り下げなどで約20億円の減損損失計上を余儀なくされる可能性が強まり、追加の調査が必要となって報告書の提出ができなくなったのだ。
大豊工業はTCAに対し、今年3月末時点で9・89億円を貸し付けているほか「債務保証も行っている」(関係者)。このため単体決算では保有株減損のほか、貸倒引当金や債務保証損失引当金の追加計上なども迫られる見通し。業績の先行き不透明感や企業統治への懸念などから18日の株価は一時、7年9カ月ぶりの安値にまで急落した。
「(30日までに)何としても提出を間に合わせる」。同社幹部はこう強調するが、トヨタ関係者からは「とんだ面汚し。上場廃止になどなったら切腹ものだ」との罵声も飛ぶ。