トヨタ系「大豊工業」米子会社の不正で上場廃止の危機
果たして間に合うのか。トヨタ自動車系の中堅部品メーカー、大豊工業が上場廃止の危機にさらされている。全額出資の米国子会社、TCAで不適切会計が発覚、19年度第1四半期(4~6月=1Q)報告書を期日とされた17日までに関東財務局に提出できなかったためだ。最終期限は30日。それでもダメなら整理銘柄に指定され、原則1カ月後に上場廃止となる。
大豊工業は自動車用の軸受け製品やアルミダイカスト製品、自動車製造用の金型などを生産している。18年度の売上高は1134億円で、その7割弱がトヨタグループ向け。トヨタ本体が発行株の33・1%を握る筆頭株主となっているほか、豊田自動織機、豊田通商もそれぞれ4・8%、3・6%を出資。社長、副社長の両トップもトヨタからの“天下り”だ。
不適切な会計処理疑惑が浮上したのは今年7月末。TCAで15~18年の期末棚卸資産が約5億円、過大計上されている恐れがあるというもので、同社では8月、ヤメ検弁護士の平尾覚氏(西村あさひ法律事務所)を委員長とする特別調査委員会を設置。1Q決算発表と四半期報告書の提出を今月17日に先送りして、調査を進めてきた。