角田太郎さん(カセットテープ専門店「waltz」代表)第2回
僕がAmazonを辞めたわけ
アマゾン日本法人の二期生として音楽・映像事業やヘルス・ビューティー部門を立ち上げるなど、順風満帆の会社員人生を歩んでいた角田太郎さんは、なぜ会社を辞め、カセットテープ販売店ビジネスに乗り出したのか――。
■人に人生を決められることへの違和感
――それでは、なぜwaltz(ワルツ)をやられることになるのですか。
「もちろんこのビジネス(カセットテープ専門店)をやりたかったわけなんですが、アマゾンでのキャリアに飽きてきていた自分というのもいるんです。ぼくみたいにアマゾンでの経験が長くなってくると、消費財もそうだったのですが、うまくいっていないビジネスの建て直しをしてくれというオファーがすごく増えるんですよ。新しいプロダクトを立ち上げるといったときは、業界の人間とか、外資系企業のコンサルタントとかを連れてきます。そうしてひとつのビジネスが始まるわけですが、やはりアマゾン社内の仕組みをわかっている人間がいないといつまでたっても軌道に乗らないんですね。そうするとぼくみたいにビジネスを立ち上げた経験がある社内の人間にちょっとどうにかしてくれないかという話になってくるんです。