堅実な家計を圧迫する可能性も…“無理な貯金”は絶対しない
早くお金を貯めたくて、生活費などを削ってみたけれど、途中で挫折した。そんな人、そんな世帯は意外に多い。
埼玉県和光市に住む会社員の鈴木稔氏(46)は、挫折組のひとりだ。世帯年収は700万円を超えているにもかかわらず、見事に失敗した。
「昨年、長男が大学に入学し、来年には次男が大学に入る予定です。そんな事情で、5年前に貯蓄額を増やしました。月平均10万円前後の貯蓄を20万円にしたのです」
毎年コンスタントに120万円前後の貯蓄をするなど、極めて堅実な家計運営だ。ところが、鈴木家の貯蓄総額は、240万円しかなかった。住宅ローンの繰り上げ返済をしていたからだ。子供たちの教育資金を増やすことと、住宅ローンの繰り上げ返済を同時に行うために、貯蓄額を2倍にした。
「毎月20万円を貯蓄に回すために、食費や光熱費、私や妻の小遣いを削ったのですが、生活費が足りなくなることが増えてしまいました。私は小遣いが足りず、クレジットカードを使うことが増え、カードローンでお金を借りるなど、家計が火の車になってしまったのです」(鈴木氏)