過労自殺に続き転落事故 「大成建設」に何が起きている?
大手ゼネコン「大成建設」の工事現場でまた死亡者が出た。20年東京五輪のメーンスタジアム「新国立競技場」の建設現場で、23歳男性が過労自殺したばかりだが、また現場の過酷さを象徴するような事故が起きた。
東京・千代田区のオフィスビル「丸の内3-2計画ビル建替え工事」で、11日に作業中だった50代と40代の作業員計3人が亡くなった。
3人は、ビル5階部分でエレベーターを通す縦穴の上に足場として置いていた1~2畳分の鉄板とともに、約25メートル下の地下3階まで転落。約630キロの作業車両も落下しており、鉄板が車両の重みに耐えられず抜けた可能性があるという。
施工業者は、新国立と同じ大成建設だった。驚きなのは、作業日が祝日の「山の日」だったことだ。工事現場付近に張られた「特定建設作業実施のお知らせ」なる掲示物には、「作業しない日」との項目に「日曜・休日」と記されているのだ。
新国立の工事のケースでは、自殺した男性は、工期の遅れを取り戻すため最大で月211時間の残業を余儀なくされた。