「錦織1億円ボーナス」に雑音 ユニクロ柳井会長に冷めた声
錦織圭(24)の全米オープン準優勝フィーバーに乗り、笑いが止まらないのがスポンサー契約をしているユニクロだ。ベスト8入り前日の1日から決勝戦を控えた8日にかけ、ユニクロを抱えるファーストリテイリングの株価は約4%も上げた。日経平均の上昇率の3倍近い値動きだった。
決勝戦明けの10日には、所属先の日清食品を抑え、朝日と読売の両紙に全面カラー広告を掲載。柳井正会長兼社長と会社の折半で臨時ボーナス1億円を大盤振る舞いするという。世間に広がる「ブラック企業」のレッテルとは裏腹に、「ユニクロの春」とでも言わんばかりだ。
「アパレル業はイメージ商売。そこをよく分かっている柳井会長は情報コントロールに非常に積極的です。メディア慣れもさることながら、イメージ戦略への投資を惜しみません」(ファストリの動向に詳しい経済ジャーナリスト)
■3年後の目標は「ZARA」「H&M」規模
9日の幹部向け経営方針説明会では新たな経営目標を提示。「2017年8月期の連結売上高2・5兆円、営業利益4000億円」を打ち出した。14年8月期見通しの売上高1兆3700億円と比べ、2倍近い数字だ。アパレル業界の世界2トップを占める「ZARA」や「H&M」に匹敵する規模。11年に掲げた「2020年に売上高5兆円を目指す」方針の中間目標という位置づけのようだが、大ブロシキを広げたものだ。