福岡でまた…24年前の「桶川ストーカー殺人事件」が繰り返された
ストーカー規制法の成立は写真週刊誌FOCUS記者の「調査報道」がきっかけだった。
1999年10月、女子大生の猪野詩織(当時21)がJR高崎線・桶川駅前で刺殺された。
FOCUSの清水潔記者は被害者の友人から、「私が殺されたら犯人は小松」という遺言を残していたことを知る。
自称青年実業家・小松とはゲーセンで知り合い、付き合うようになった。気前よく高価なプレゼントを贈ってくれたが、やがて男は態度を豹変(ひょうへん)させ、「プレゼントの代金を払え。払えないならソープに行って働いて金を稼げ」と脅すようになった。
小松のテカに尾行され、自宅の電話番号が書かれた「援助交際OK」カードを大量にバラまかれた。
恐怖を覚えた彼女は、埼玉県警上尾署に出向く。刑事たちは、「男と女の問題だから警察は立ち入れない」と言うばかりでラチが明かない。警察を動かすには刑事告訴しかないと決意する。
だが、あろうことか、所轄の刑事が来て「告訴を取り下げろ」と迫ったのである。さらに後で分かるのだが、警察は、捜査や報告義務のある「告訴」を「被害届」に改ざんすることまでしていたのである。