財務省解体デモ…記者が現場で見たのは、玉石混交の主張が入り乱れる“カオス”だった

公開日: 更新日:

 14日の夕方、東京・霞が関で「財務省解体デモ」が開かれた。参加者は1000人超とみられており、財務省前は異様な熱気に包まれた。どの参加者も「財務省解体」という思いは共有しているようだったが、一人一人に話を聞いてみると、それぞれがさまざまな主張をブチまけるのだった。

「日本はどんどん貧しくなっているから、なんとかしなくちゃと思って来ました」

 こう鼻息荒く話すのは、参加者の70代男性だ。デモ開始時刻の午後5時にはすでに多くの人が集まり、「消費税廃止」や「罪務省」などと書かれたプラカードのほか、日本国旗などが掲げられていた。

 冒頭の男性は「株主の利益だけじゃなく、社会全体の利益を重視する公益資本主義に転換しなければなりません」と社会制度の改革を訴える一方で、「その一歩目はまず財務省の解体からです。だってディープステート(影の政府)が裏で手を引いているのでしょう」と真偽不明の主張もするのだった。

 デモには現役世代から中高年など、さまざまな年齢層の参加者がみられた。中・高校生とおぼしき参加者もおり、10代前半くらいの少年が甲高い声で「天下りぃ! 財務省解体!」と叫んでいた。

 時間が経つにつれてさらに人が増え、午後6時ごろには、財務省から道路を一本挟んだ外務省前の歩道も人でいっぱいになった。集まった人にデモ参加のきっかけを聞くと、今年1月に死去した経済アナリストの森永卓郎氏の影響を口にする人が多かった。ある女性は「“発禁処分”などの圧力がかかり買えなくなると困るから、森永さんの本を家に積んであります」と話した。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態